富士スピードウェイで撮る!サーキット撮影に必要なカメラ&レンズの選び方【2026年版】
富士スピードウェイ(FSW)は、国内トップカテゴリーのレースが集まるサーキットです。富士山を背景にレーシングカーを撮れるロケーションとして人気が高く、カメラを持ち込む観客も年々増えています。
しかし「どんな機材を用意すればいいか」は、初めてサーキット撮影に臨む方にとって大きな悩みどころ。動体撮影には一定の性能が必要ですが、何でも高価な機材を揃えれば良いわけでもありません。
この記事では、一般観客エリアから撮影することを前提に、カメラボディ・レンズ・一脚の選び方を体系的に解説します。富士スピードウェイにおける各撮影ポイントの攻略については「富士スピードウェイでの撮影ポイントまとめ」をご覧ください。
サーキット撮影の「難しさ」を理解する
被写体の速度が桁違い
FSWのホームストレートでは最高速度300km/hを超えるマシンも珍しくありません。コーナーでも100〜200km/hで通過します。ポートレートや風景と同じ感覚で撮影すると迫力の無い写真や遠くて車が小さい写真、もしくはほぼ確実にブレた写真になります。
フェンス越しが基本
一般観客エリアはフェンスや金網越しの撮影が基本です。しかもフェンスは2重になっている場所がほとんどになります。
フェンスを光学的にぼかして目立たなくするためには、望遠レンズを開放絞り付近で使うテクニックが必要になります。
距離が遠い
富士スピードウェイは他のサーキットと比較して観客エリアからマシンまでの距離が遠いと言われています。(最新の安全性に従って作成されたサーキットのため安全基準が厳しい。)
そのためエリアによってさまざまですが、おおよそ20〜100m以上。コンパクトカメラやスマートフォンのズームでは厳しく、本格的な望遠レンズが求められます。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 主な通過速度 | 100〜300+ km/h(コーナー〜ストレートで変動) |
| 観客〜マシン距離 | 20〜100m以上(エリアにより大きく差あり) |
| 推奨シャッター速度(止め撮り) | 1/640〜1/1600秒 |
カメラボディの選び方
ミラーレス vs 一眼レフ
近年のミラーレス機はAF追従性能・連写速度ともに一眼レフを凌駕するモデルが増えており、新たに機材を揃えるならミラーレスを選ぶのが自然な流れです。すでに一眼レフと望遠レンズを持っている場合は、無理に乗り換える必要はありません。
| 項目 | ミラーレス | 一眼レフ |
|---|---|---|
| AF追従性能 | ◎ 最新機は最高峰 | ○ 上位機は十分 |
| 連写速度 | ◎ 電子シャッターで高速 | ○ 機械式で安定 |
| ファインダー | EVF(遅延わずか) | OVF(タイムラグなし) |
| バッテリー持ち | △ レフ機より短め | ○ 長時間に強い |
AF性能で選ぶ:被写体認識と追従速度
サーキット撮影でボディ選びの最優先事項はAF性能です。「被写体認識AF(車・バイク認識)」の精度と追従速度が歩留まりに直結します。フェンス越しでもマシンを優先して追い続けられるかどうかが、実際の撮影結果に大きく影響します。
そもそも連射で撮影できてもピントがそもそもあっていなければいい写真にはならないですからね。
連写性能の考え方
目安は毎秒10コマ以上。最新ミラーレスは電子シャッターで30〜120コマに達しますが、コマ数が多すぎるとストレージ消費や後処理の手間も増えます。毎秒15〜20コマ程度を現実的な上限として設定するのがおすすめです。撮影は最初の1枚が基本的に勝負です。
サーキット撮影をしているとたくさんの車を撮影したいということで1度のレースで1000枚とか2000枚とかの写真を撮ることになります。そんな撮影で連射してたらあっという間にメモリカードがいっぱいになってしまいます。
注意:電子シャッター使用時のローリングシャッター歪みが高速マシンで発生する場合があります。機械式シャッターとの使い分けを確認しておきましょう。
センサーサイズの考え方(フルサイズ / APS-C / マイクロフォーサーズ)
同じレンズを使ったとき、クロップ倍率により画角が伸びるのは事実です。400mmのレンズがAPS-Cで600mm相当、マイクロフォーサーズ(MFT)では800mm相当になります。ただしセンサーが小さくなるほどトレードオフも生じます。
富士スピードウェイでの撮影においてはフルサイズ換算で50mmから800mmくらいまで抑えられると使い勝手が良くなる印象です。
| 項目 | フルサイズ | APS-C | MFT |
|---|---|---|---|
| 望遠の稼ぎやすさ | △ | ○ | ◎ |
| 高感度耐性 | ◎ | ○ | △ |
| AF追従性能(現状) | ◎ | ○ | ○ |
| フェンスのぼかしやすさ | ◎ | ○ | △ |
| 機材の軽さ・コスト | △ | ○ | ◎ |
Tip:個人的な意見で言えばAPS-Cがいいかなと思います。「昼間のFSW専門・機動性重視」ならMFTも十分合理的な選択です。サーキットに趣味で撮影に来るのであればフルサイズはレース撮影には向かないなという印象です。
モータースポーツ撮影におすすめのカメラ
趣味での撮影なのであまりお金をかけずに満足のいくカメラを購入したいですね。
予算はカメラ本体で20万円まででなんとかなりそうな機種を選んでます。
長年富士スピードウェイで撮影してきて今買うならこの性能のカメラであれば失敗しないと言えるのはキャノンのEOS R7、時点でオリンパスのOM-1かな。
昔の一眼レフ時代に比べてミラーレスカメラでは趣味でモータースポーツを撮影する人には選択肢がかなり少ないっていうのが現状です。
① キヤノン:EOS R7
センサーサイズ:APS-C
最高連写速度:メカシャッター:約15コマ/秒 / 電子シャッター:約30コマ/秒
画素数:約3250万画素
ボディ内手ブレ補正:あり(最高8.0段)
カードスロット:デュアル(SD×2)
コメント:
連射速度、画素数、モータースポーツを撮影するなら十分すぎる性能で、価格的にもかなりお得なカメラです。現状20万円あたりで購入できます。
2022年発売ということもあり次期バージョンの発売の可能性もあるのでさらなる値下げの可能性もあるので購入タイミングが気になる。(最近の相場からしたら30万円超えるのでは・・・)
OM SYSTEM:OM-1 Mark II
センサーサイズ:マイクロフォーサーズ(MFT)
最高連写速度:AF追従:最高約50コマ/秒 / AF固定:最高120コマ/秒
画素数:約2037万画素
ボディ内手ブレ補正:あり(最高8.5段)
カードスロット:デュアル(SD×2)
コメント:
マイクロフォーサーズであればOM-1が良いかなと思います。
ダブルスロットでもしもの場合でもデータを守ってくれるし400mmのレンズを使用することで800mmという超望遠も安価に実現しやすい機種になります。
画素数が少ないですが連射速度はかなり高い機種です。
ソニー:α6700
センサーサイズ:APS-C
最高連写速度:最高約11コマ/秒
画素数:約2600万画素
ボディ内手ブレ補正:あり(5軸補正)
カードスロット:シングル(SD×1)
コメント:
小型のカメラなので500mm級のレンズを付けると非常にバランスが悪くなります。超望遠レンズの選択肢は多いのがメリット。
ニコンの機種は・・・
実はミラーレスカメラ市場においてニコンの立場は微妙です。
一眼レフ時代は良いAPS-Cカメラがあったけどミラーレスではその影もありません。
モータースポーツメインで趣味で撮影を始めるならあまり選べる機種がないんですよね・・・
レンズの選び方
必要な焦点距離の考え方
FSWの一般観客エリアでは、フルサイズ換算で50〜800mm相当が主力となります。エリアによってマシンまでの距離が大きく変わるため、一本で対応できるズームレンズが現実的です。
同じコーナーでも撮影する構図、位置によって幅広く選べるレンズが便利ですね。
| 撮影場所 | 目安の焦点距離 |
|---|---|
| 普通に撮影 | 50〜300mm |
| 金網越し撮影 | 500〜800mm以上 |
ズームレンズ vs 単焦点レンズ
観客エリアを移動しながら複数の場所で撮影するなら、ズームレンズが圧倒的に使いやすいです。単焦点の超望遠は画質・明るさで優れますが、固定された焦点距離では場所によって構図が作りにくく、まずはズームレンズで撮影に慣れることをおすすめします。
F値と手ぶれ補正
晴天屋外が基本のサーキットでは、F5.6〜F6.3クラスでも昼間は十分なシャッター速度を確保できます。フェンスをぼかすには開放絞りで使うのが前提です。焦点距離が長いほどフェンスはぼけやすくなります。手ぶれ補正は長時間手持ち撮影の疲労軽減と、流し撮りモードとして有効活用できます。
キヤノン RFマウントのおすすめレンズ
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
価格:新品 約38万円
重量:1370g
焦点距離:100-500mm F4.5-7.1
500mmまでカバーするRFマウントの主力。Lレンズとしての高い解像力と防塵防滴性能を備え、テレコン対応で焦点距離をさらに伸ばせます。
RF100-400mm F5.6-8 IS USM(※オススメ!)
価格:新品 約10万円
重量:635g
焦点距離:100-400mm F5.6-8
重量635gと圧倒的に軽くコンパクト。晴天屋外ならF8でも問題になりにくく、長時間移動撮影の入門として最適です。
ソニー Eマウントのおすすめレンズ
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
150mmから600mmまでをカバーする超望遠ズーム。FSWのどの観客エリアでもズームリング一本で対応でき、場所移動のたびにレンズを替える必要がありません。防塵防滴構造で天候変化にも対応。重量2100gは一脚との併用がおすすめです。
- 価格:新品 約19万円前後 / 中古 約12〜16万円
- 重量:2100g
- 焦点距離:150-600mm F5-6.3
タムロン 150-500mm F5-6.7 Di III VC VXD
SIGMAより軽量(約1725g)でAF追従性能が高く評価されています。500mmどまりでテレコン非対応ですが、初めての超望遠ズームとして入門しやすい一本です。
- 価格:新品 約13〜15万円
- 重量:約1725g
- 焦点距離:150-500mm F5-6.7
ソニー FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
純正ならではのAF追従性能が最大の強み。価格・重量ともに最もハードルが高く、本格的に取り組みたい方向けです。
- 価格:新品 約22〜26万円
- 重量:2115g
- 焦点距離:200-600mm F5.6-6.3
マイクロフォーサーズ機のオススメレンズ
パナソニック LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 II ASPH./POWER O.I.S.
価格:新品(II型)約198,000円 / 中古(I型)約115,000円〜
重量:約985g
焦点距離:100-400mm F5.6-8
オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
価格:新品(II型)約168,000円 / 中古(I型)約100,000円〜
重量:約1,120g
焦点距離:100-400mm F5.0-6.3
一脚の選び方とおすすめ
なぜサーキット撮影に一脚が必要か
SIGMA 150-600mmのような超望遠ズームは重量が2kgを超えます。これを長時間手持ちで構え続けるのは体力的にかなりきつく、後半になるにつれて腕のブレが増えて歩留まりが下がります。
また走行時間が始まるまでの時間も手持ちはつらい!!
一脚は三脚と違い機動性を損なわず、サッと構えて素早く移動できるのが最大の強みです。サーキット撮影との相性は抜群で、超望遠レンズを使うなら一脚はほぼ必須のアイテムと言えます。
一脚選びの3つのポイント
サーキット撮影での一脚選びで特に重要なのは次の3点です。
- パイプ径の太さ:2kgを超えるレンズ+ボディを支えるには28mm以上が目安
- 耐荷重:使用機材の総重量の2〜3倍以上あると安心
- ロック機構:レバーロック式はワンタッチで素早く高さを変えられ、立ち位置変更に便利
おすすめ一脚
【筆者実使用】SLIK プロポッド600(現在は生産完了)
アルミ・マグネシウム・チタン合金(A.M.T.)採用のプロ用一脚。最大パイプ径30.2mmの太さが大きな安心感を生み、500mm超の重い望遠レンズも余裕を持って支えられます。レバー式ロックで素早い高さ調整ができ、観客エリアを移動しながらの撮影にも対応。現在は生産完了品ですが、中古市場やフリマアプリで安価に入手できることがあります。
- 最大パイプ径:30.2mm / 最長:1600mm / 素材:A.M.T.合金
- 当時の販売価格:約5,000円
SLIK ザ プロポッドスポーツ(現行後継モデル)
プロポッド600の後継にあたる現行モデル。1万円以下で購入できるアルミ系一脚の中では剛性・耐荷重・操作性のバランスが高く、サーキット撮影への入門として最もコスパが高い選択肢のひとつです。
- 最安:約9,400円〜
スマホで走行中の車を撮影できるの?
できるできないでいったら撮影はできますがその写真が満足のいくものになるのかは別問題ですね。
普通のスマホの場合は普通に撮影すると車があまりにも小さくなるし拡大すると表示の遅延によりシャッターのタイミングがあわないことが多発します。
撮れたとしてもメインストレートでは上記のように止まった写真になり迫力もないしこれでいいのか?となります。
機材選びの優先順位まとめ
機材を揃える際、予算が限られているなら次の優先順位で検討するのがおすすめです。
- まずレンズを決める:ボディよりもレンズへの投資を優先しましょう。使いたいレンズから逆算してマウントを決めるのも合理的な選択です。
- AF性能の高いボディを選ぶ:レンズが決まったら、そのレンズのAFを最大限に引き出せるボディを選びます。被写体認識AIの世代が新しいほど、フェンス越しでも粘り強くマシンを追います。
- 一脚で長時間撮影を快適に:超望遠レンズを長時間手持ちするのは体力的に厳しく、後半の歩留まりに直結します。レンズ・ボディの次は一脚を早めに揃えるのがおすすめです。
- サポート機材で快適性を高める:大容量バッテリー・高速SDカードは撮影の快適性と歩留まりに直結します。余裕ができたら揃えましょう。
本記事は富士スピードウェイ一般観客エリアでの撮影を前提にまとめています。各エリアの詳しい撮影ポイント・構図については別記事「FSW撮影スポット攻略ガイド」をご覧ください。一脚を含む持ち込み機材のルールは、各イベントの公式案内を必ず確認してください。


